腹膜炎/穿孔性虫垂炎
作者群
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媒體類型
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2002-01
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普通的
最愛
音訊
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數位出版
WeBSurg.com, Jan 2002;2(01).
URL: http://www.websurg.com/doi-ot02jp216.htm
URL: http://www.websurg.com/doi-ot02jp216.htm
腹膜炎/穿孔性虫垂炎
1. イントロダクション
虫垂炎にともなう腹膜炎に対しては、従来、 炎症が限局性であればMcBurney切開創を延長し、汎発性腹膜炎
であれば正中切開によるアプローチが一般に行なわれ
ていた。腹腔鏡下アプローチでは必要最小限の切開創
で手術操作が可能であり、従って創感染の発症も最小
限に抑えることができる。
腹膜炎に対する腹腔鏡は診断・治療の両面に有用な方法
である。腹腔鏡下に85%の症例で腹膜炎の原因を同定す
ることが可能であり、さらに、虫垂穿孔の有無や膿苔
付着部位の観察も可能である。
穿孔性虫垂炎の80%以上では腹腔鏡下に手術を行なう
ことができる。一方、開腹にコンバートする際にも、
切開創を必要最小限にして的確な位置におくことが
できる。
腹膜炎に対する腹腔鏡下手術に特異的といえる合併症
はないが、十分に注意し操作を遂行する必要がある。
腹腔内細菌汚染という状況では気腹に関連する2つの
リスクが考えられる。
- 高炭酸ガス血症: 腹膜炎によってCO2の吸収が
増加する。
- 敗血症: 腸管でのbacterial translocationや、
横隔膜リンパ管や胸管から細菌が侵入し、血流を
介して細菌が全身に広がる可能性がある。
2. 解剖
• 解剖
• 一般
1. 盲腸2. 回腸
3. 虫垂
虫垂は一般的に右腸骨窩と呼ばれる右下腹部に存在す
る。
虫垂開口部は通常上前腸骨棘と臍部を結んだ線上の
中間に存在し(McBurney's point)、虫垂先端は左右
上前腸骨棘を結んだ線上の右1/3に位置する。
虫垂の漿膜面は盲腸底部の内側で自由ヒモに連続する。
• 動脈
回結腸動脈は上腸間膜動脈の枝である。回結腸動脈は以下に分岐する。1. 回結腸動脈
2. 後盲腸動脈
3. 前盲腸動脈
4. 虫垂動脈
• リンパ流
回結腸リンパ流は前・後盲腸動脈に沿って存在する。これは回結腸曲 に存在する大きなリンパ節鎖によって
ドレナージされる。
• 腹膜
1. 腸間膜2. 上回盲陥凹
3. 下回盲陥凹
4. 虫垂間膜
盲腸間膜ヒダが前または上回結腸陥凹の境界をつく
る。虫垂間膜に沿った回虫垂腹膜ヒダが下または後回
結腸陥凹の境界をつくる。
• バリエーション
• 虫垂の位置
骨盤腔での虫垂と隣接臓器の位置関係は一定でない。一般的にみられる虫垂の位置を以下にあげる。
1. 盲腸後の虫垂
2. 間膜内の虫垂
3. 通常の虫垂
4. 骨盤内の虫垂
• 盲腸の位置
盲腸の位置のバリエーションを以下にあげる。1. 右腸骨窩 (通常の位置)
2. 骨盤内盲腸
3. 肝下部の盲腸
4. 重複盲腸
重複盲腸の場合、虫垂は上行結腸背側で肝下面まで
挙上されている。
• 病因病理学
盲腸ヒモ、小腸の腸間膜対側、回盲移行部などの有用なランドマークは炎症により変形し癒着している。
化膿性炎症が原因で、腸管がループ状となり、大網が
癒着し、虫垂周囲に炎症性腫瘤を形成する。
汎発性腹膜炎は虫垂の穿孔が原因となり腹腔内全体が
汚染されることによって発生する。初期には虫垂周囲
の膿瘍形成や右傍結腸溝や直腸子宮窩 (ダグラス窩)へ
の膿汁貯留が認められる。
右傍結腸溝からの膿汁が腹腔内に拡がるルートには2通
り挙げられる。
- 骨盤腔からS状結腸の前面を通り、さらに左傍結腸
溝、左横隔膜下へと広がるルート
- 右傍結腸溝を上行し、右横隔膜下そして肝下面に広
がるルート
3. 適応と禁忌
適応:患者の年齢や状態(耐術には循環動態は安定している必要がある)に関わらず、虫垂炎に起因する腹膜炎は
腹腔鏡下手術の適応となる。腹腔内から感染性腹水が証明されれば腹膜炎と診断できる。
禁忌:
- ASA分類type IVまたは非可逆期のショック状態
- 重篤なイレウス
- 腹腔鏡下手術の経験不足
- 虫垂炎による化膿性炎症が原因の癒着が高度で剥離できない場合。
重篤な壊疽性腹膜炎が禁忌とは限らない。腹腔鏡の適否は腸管拡張と炎症性癒着の程度が問題となる。
限界:
腹腔鏡では、気腹により心拍出量が減少するため、ASA分類type IVまたは非可逆性ショック状態の症例には
禁忌である。腹腔鏡では腸管ループが過度に拡張する(イレウス)と極端に術野が狭くなり、回盲部へのアク
セスも困難で、十分な腹腔内洗浄の妨げにもなる。
4. 手術室の配置
• 患者
患者、術者、助手そして腹腔鏡機器は通常の虫垂切除術と同様に配置する。手術台の傾きは術中の剥離操作
に応じて適宜変化させる。体位は仰臥位とし、両脚は
伸展してそろえておく。
女性の患者で卵管炎や卵管・卵巣嚢腫などとの鑑別がつ
かない場合は、両下肢を低位にした砕石位がもっとも
よい。また、子宮カニューレを用いると、子宮と付属
器の観察が容易となる。
左側臥位は盲腸・虫垂の剥離に際して小腸係蹄を左側
へ移動させるのに有効であり、Trendelenburg位は骨盤
腔の洗浄に、逆Trendelenburg位は上腹部の洗浄に有効
である。
• チーム
術者は患者の左側でモニターの対側に立つ。助手は術者の右側に立つ。
1 術者
2 助手
• 機器
1. 麻酔器2. 腹腔鏡機器
3. 電気メス
4. 手術台
5. トロッカーの位置
• 腹腔鏡用トロッカー
腹腔鏡用トロッカー(10/11 mm, 0゜) は臍周囲(臍下部、臍上部または臍側部)に挿入する。
• 操作用トロッカー
2本の操作用トロッカー(5 or 10/11 mm and 5 mm)は恥骨上部中央と左腸骨窩に挿入する。
虫垂を鈍的把持鉗子で把持し頭側に引き上げることに
より虫垂間膜を露出する。炎症が原因で解剖学的変化
が生じている場合は盲腸、虫垂、小腸など腹腔内臓器
の同定が困難な場合もある。
• オプション
小腸を圧排したり術野の吸引や腹腔内洗浄 (特に上部腹腔) を行うために右肋弓下鎖骨中線上に4本目のト
ロッカー(5 mm)を挿入する必要が生じることもある。
6. 機器
• 腹腔鏡
1. 0゜腹腔鏡,10mm• 手術機器
1. 鋏2. フック
3. バイポーラー
4. 標本摘出用袋
5. クリップ
6. 無鈎把持鉗子
• 牽引用機器
1. 吸引洗浄機器2. リトラクター
• オプション機器
1. 持針器2. 30゜ 腹腔鏡
低アレルギー性の清潔外科手袋が標本摘出用袋として
有用である。
手袋の指の基部に刺通結紮を行い、末梢側を切離し、
袋を作製する。小さな虫垂の場合には手袋の指1本でも
十分である。
7. 原則
- モニタリング(心電図、カプノグラフィー、血圧計、人工呼吸器)
- 気腹前に経静脈的に抗生剤を投与する
- 気腹 : 気腹圧は8から12mmHgとする
- 膿汁の貯留部位を明らかにする(細菌培養に用いるサ
ンプルを採取し、局所および全身の腹膜炎の評価を
行う)
- 膿汁を吸引し生理食塩水で腹腔内洗浄を行う
- 虫垂周囲の癒着剥離(回腸、卵巣)を行う
- 腹腔内汚染の原因を確認する(穿孔性虫垂炎)
- 虫垂切除術
- 切除標本摘出用袋
- 腹腔内ドレナージ
8. 腹腔内の検索
• 腹腔内の検索
腹腔内を検索するには、腹腔鏡用トロッカーのほかに2本の操作用トロッカーが必要である。十分な手術野を
確保するためには、適度な腹壁の弛緩が必要である。
いろいろな方向に手術台を傾けて腹腔内の膿瘍形成の
有無を検索すると、小腸係諦の深部に膿瘍形成を認め
ることもある。また、炎症に起因して腸管は膨張し脆
弱化しているため、慎重に操作を行なうことが重要で
ある。
• 手術台の傾斜
左側臥位右傍結腸溝と虫垂の検索
逆Trendelenburg 位
右横隔膜下と右肝下面の検索
Trendelenburg 位
骨盤腔と直腸子宮窩、小腸係蹄間隙の検索
右側臥位
左傍結腸溝と左横隔膜下の検索
9. 展開
• 腫瘤の剥離・授動
虫垂周囲の炎症性腫瘤の剥離・授動は無鈎把持鉗子と吸引洗浄器を用いて行う。従来の開腹手術で用手的に
行っていた操作と同じ要領で、これらの器具を使用す
る。膿は細菌培養検査に供する。
• 展開
右肋弓下のトロッカーからの鉗子を用いて、小腸と大網を左側へ圧排し、術野の展開を図る。
また、左側臥位とTrendelenburg 位が有用である。
虫垂を鈍的把持鉗子で把持し、頭側に引き上げる
ことにより虫垂間膜を露出・展開する。炎症のため
盲腸、虫垂、小腸などの解剖学的位置関係を同定
することが困難なことがある。
10. 剥離
虫垂間膜の処理には2通りの方法がある。できるだけ虫垂壁の近傍で切離を行う。虫垂動脈の分
枝はモノポーラーまたはバイポーラーフック鉗子を用
いて凝固止血し、虫垂間膜を先端から根部に向かって
処理する。この方法を用いると切除標本が小さいため
摘出が容易となる。
虫垂間膜の剥離を根部から行い、虫垂動脈をクリップ
か結紮で処理する。
虫垂間膜からの出血(肥満症例や虫垂間膜の炎症のた
め)ではバイポーラーを用いた凝固止血操作が非常に
有用である。
11. 結紮と切離
1. 虫垂根部2. クリップ
虫垂断端の処理は重要であるが、腸管壁の浮腫のため
操作が困難なこともある。
虫垂根部の処理は吸収糸を用いて、サージカル・ループ
か結紮(体内・体外)で行う。通常は2重に結紮する。
虫垂内容を末梢側に圧排した後に虫垂根部にクリップ
または結紮を行う。つまり、クリップや無鈎把持鉗子
を半開きにした状態で虫垂長軸に平行に動かすことで
虫垂内容を切離部から排除し、虫垂根部を切除する際
の糞便汚染を予防できる。
根部で虫垂を切除し、消毒液(例えばイソジン)をつ
けたピーナツスワッブで虫垂断端を消毒する。
虫垂根部が壊死に陥っている場合は、機械吻合器の
使用や盲腸の縫合閉鎖が必要となる。
12. 摘出
虫垂を摘出する際には、虫垂が腹壁に接触しないように、腹壁を保護しなければならない。
虫垂の大きさに応じた摘出方法を選択する。
- 摘出標本の直径が10mmに満たない場合は左腸骨窩の
10/11mmトロッカーまたは同トロッカーの10/5 mm
レデューサーから虫垂を摘出する。
- 摘出用袋または手術用手袋の指の部分(経済的であ
る)に虫垂を収納し、左腸骨窩の10/11mmトロッカー
を抜去したのちに摘出する。
13. 手技の終了
腹腔内洗浄は手術手技の基本操作である。まず、腹腔内の検索を済ませた後に腹腔内洗浄を行い、感染腹水
を可及的に除去する。さらに、虫垂切除に続いて洗浄
を行なう。
腹腔内洗浄は加圧式の吸引洗浄器を用いて温生食4-6L
で洗浄液がきれいになるまで行う。腹腔内全体を洗浄
するには、手術台の傾きを変えたり患者をゆすったり
することも必要である。最後に、洗浄液はすべて吸引
しておく。
通常、シリコンドレーン(12から18Fr)を用いて腹腔
内ドレナージを行う。一般的には、ドレーンは恥骨上
または右肋弓下のトロッカー刺入部より挿入して、ダ
グラス窩と右傍結腸溝に留置する。
トロッカーを抜去する際には刺入部の出血に十分注意
する。10/11 mm トロッカー刺入部の筋膜のみ縫合
閉鎖する。皮膚はステープラーまたは縫合にて閉鎖す
る。
ドレーンは排液が糞便様、血性そして膿汁様では
なく、1日排液量が100ml以下であれば抜去する。
経静脈的な抗生剤の投与は腹膜炎の程度に応じて投与
するが、術中の腹水培養検査の結果が判明するまでは
投与を継続する。もし培養検査が陽性であれば経静脈
的または経口による抗生剤投与を10日間持続してい
る。
14. Reference

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