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総胆管結石症: 術後管理





B Millat, MD , Hôpital Saint Éloi , Montpellier, France
B Malassagne, MD, PhD , Hôpital Henri Mondor, Université Paris XII, Créteil, France




1. 腹腔鏡下総胆管切石術の成績

2. T-チューブか一期的縫合か?

3. 遺残総胆管結石の有無の確認

4. References


1. 腹腔鏡下総胆管切石術の成績

腹腔鏡下総胆管切石術の成功率は1991〜1994までの22% から1995〜1997には87%にまで上昇してきている ( Hyser et al. , 1999 )。
さらに最近では、その率は97% ( Keeling et al. , 1999 ) もしくは98% ( Martin et al. , 1998 )と報告されている。
出版されている総胆管結石に対する腹腔鏡下アプローチに関する24 報告例(総胆管結石症例数 2,340)を集計した結果 ( French Association of Surgery / Gayral and Millat, 1999 )によると全体の68% が経胆嚢管的アプローチで行われ、31%が総胆管切開術によって行われている。

術後合併症発生率は、経胆嚢管アプローチでは5%〜10%、総胆管切開術では5%〜18% と幅がある。経胆嚢管アプローチに関連した合併症では、胆嚢管損傷、総胆管損傷が挙げられる。総胆管切開術に関連した合併症としてはT-チューブドレーンの逸脱、総胆管を一期的縫合した場合の胆汁漏が挙げられる。
再手術は0〜2.5%の症例で施行されている。術後のbilomaなどに対しては経皮的ドレナージが行われる。
2,340 症例のうち、術後死亡率は0.6%と報告されている (0 〜4%)。

遺残結石の中には症状を呈さないものもあるので、術後遺残結石率の評価は困難であるが、およそ3%〜5%と報告されている。

入院期間は病院、施設によって非常にばらつきがある。しかし経胆嚢管的アプローチおよび総胆管一期的縫合の場合の入院期間は、有為差を持って短縮している。




1. 腹腔鏡下総胆管切石術の成績

2. T-チューブか一期的縫合か?

3. 遺残総胆管結石の有無の確認

4. References


2. T-チューブか一期的縫合か?

T-チューブに関連した合併症として次のようなものが挙げられる:
  • 胆道感染
  • T-チューブ造影後の胆道感染、敗血症
  • 胆汁流出による電解質バランスの乱れ
  • チューブの逸脱、閉塞、抜去時の胆道損傷
  • 抜去後の胆汁性腹膜炎
  • 抜去部の皮下膿瘍

開腹胆嚢摘出術が行われていた時期に、3つのランダマイズスタディーにて、総胆管一期的縫合の方が有為差を持って術後合併症が低かったという結果が報告された:

Croceらや、さらに最近では Martinらによって腹腔鏡下における総胆管一期的縫合が安全に施行可能であることが示された ( Croce et al., 1996; Martin et al., 1998 ) にもかかわらず、T-チューブドレナージと総胆管一期的縫合を比較したランダマイズスタディーは報告されていない。
T-チューブに関連した術後合併症の発生率は5.5% と報告されている ( Millat et al., 1995; Millat et al., 1996 )。
T-チューブの逸脱による再手術も報告されている ( Stoker, 1995 )。

一期的縫合の適応としては、
  • 術中胆道造影・胆道鏡により総胆管結石が完全に除去されたことが確認されていること
  • 十二指腸乳頭が正常であること
  • 炎症のない総胆管壁で、十分に質の高い縫合が行えること
  • 重症の胆管炎を合併していないこと
が条件となる。

T-チューブを使用することで生じる入院期間の長期化、合併症発生率の高さを避けるために、DePaulaら ( DePaula et al., 1994 )は、T-チューブの代わりに7 Fr 胆管内ステントを用いた内ドレーンを報告した。
この方法により、総胆管内は充分ドレナージされ、速やかに血中ビリルビン値は下降し、総胆管縫合閉鎖部も安全な状態を保つことが出来る。しかしながら、この胆道内ステントを抜去するためには術後上部消化管内視鏡を必要とするうえに、T-チューブ造影が行えないので胆道の情報を得るためには内視鏡的胆道造影を行う必要がある( DePaula et al., 1994 )。




1. 腹腔鏡下総胆管切石術の成績

2. T-チューブか一期的縫合か?

3. 遺残総胆管結石の有無の確認

4. References


3. 遺残総胆管結石の有無の確認

術後遺残結石の有無を確認するために、術1週間後にT-チューブ造影を行う。
この造影検査では造影剤の注入は低圧で行い、次の事を確認しなくてはいけない:
  • 遺残結石の有無
  • 低圧でも造影剤の十二指腸への流出が良好であること
  • 胆道が腸管側、肝臓側とも完全に造影されること
予防的抗生剤の投与が推奨される。
もし、結石がないことが確認されたら、T-チューブをクランプし、術後3週間目に抜去する。
もし、遺残結石が確認されたら、内視鏡的乳頭切開術(EST)を施行するのが望ましい。




1. 腹腔鏡下総胆管切石術の成績

2. T-チューブか一期的縫合か?

3. 遺残総胆管結石の有無の確認

4. References


4. References

  1. Croce E, Golia M, Azzola M, Russo R, Crozzoli L, Olmi S et al. Laparoscopic choledochotomy with primary closure. Follow-up (5-44 months) of 31 patients. Surg Endosc 1996;10:1064-8.
  2. DePaula AL, Hashiba K, Bafutto M. Laparoscopic management of choledocholithiasis. Surg Endosc 1994;8:1399-403.
  3. Gayral F, Millat B, rédacteurs. Lithiase de la voie biliaire principale. Rapport présenté au 101 e congrès Français de Chirurgie. Monographies de l’Association Française de Chirurgie; 1999 Oct 7-9; Paris, France: Arnette;1999.
  4. Hyser MJ, Chaudhry V, Byrne MP. Laparoscopic transcystic management of choledocholithiasis. Am Surg 1999;65:606-9; discussion 610.
  5. Keeling NJ, Menzies D, Motson RW. Laparoscopic exploration of the common bile duct: beyond the learning curve. Surg Endosc 1999;13:109-12.
  6. Lygidakis NJ. Hazards following T-tube removal after choledochotomy. Surg Gynecol Obstet 1986;163:153-5.
  7. Martin IJ, Bailey IS, Rhodes M, O'Rourke N, Nathanson L, Fielding G. Towards T-tube free laparoscopic bile duct exploration: a methodologic evolution during 300 consecutive procedures. Ann Surg 1998;228:29-34.
  8. Millat B, Deleuze A, Atger J, Briandet H, Fingerhut A, Marrel E et al. [Treatment of common bile duct lithiasis under laparoscopy. A prospective multicenter study in 189 patients]. Gastroenterol Clin Biol 1996;20:339-45.
  9. Millat B, Fingerhut A, Deleuze A, Briandet H, Marrel E, de Seguin C et al. Prospective evaluation in 121 consecutive unselected patients undergoing laparoscopic treatment of choledocholithiasis. Br J Surg 1995;82:1266-9.
  10. Sheen-Chen SM, Chou FF. Choledochotomy for biliary lithiasis: is routine T-tube drainage necessary? A prospective controlled trial. Acta Chir Scand 1990;156:387-90.
  11. Stoker ME. Common bile duct exploration in the era of laparoscopic surgery. Arch Surg 1995;130:265-8; discussion 268-9.
  12. Williams JA, Treacy PJ, Sidey P, Worthley CS, Townsend NC, Russell EA. Primary duct closure versus T-tube drainage following exploration of the common bile duct. Aust N Z J Surg 1994;64:823-6.